International Jomon Cultuer Conferrence|縄文土器/土偶/貝塚/勾玉など縄文時代/縄文人の文化を探求する考古学団体 (▼△▼)/

■ 第6回国際縄文学協会奨学生 レポート Vol.5 吉田泰幸


On the Corner: 改めてノリッチという街

 3月は日本からの来客が多い月でした。そうすると、今までSainsbury Institute for the Study of Japanese Arts and Cultures (SISJAC)のスタッフにノリッチの街のことを色々教えてもらっていた立場から、今度はこちらが案内する番になります。
 SISJACの近くで来客と落ち合うと、たいていの場合、まずはSISJACの隣にあるノリッチ大聖堂を案内することになります。この大聖堂の創建は11世紀末、ひときわ目を引く尖塔は英国第2位の高さだそうです。SISJACの中のArchaeology Roomで研究をしていると、大聖堂から鐘の音が聞こえてきます。また、この尖塔の先の方にはハヤブサが巣を作っているらしく、SISJACの建物のすぐ前には、春の訪れとともにそのハヤブサを望遠鏡でウォッチする団体が現れ、毎日望遠鏡を覗いています。私もその団体に声をかけた時に望遠鏡で巣を見せてもらいました。この団体は夏の終わりまで観察を続けるようです。

 大聖堂のある区画はCloseという地名になっていて、街を案内するときはそこからエルム・ヒル(Elm Hill)という歴史ある建物が多く残されている地区に向かいます。その地区の道路はフリントによる石畳で、正直かなり歩きづらいのですが、古い建物を改装したカフェや個性的な店が並んでいて、雰囲気は素晴らしいです。
 エルム・ヒルから映画館に改装された教会建物などを見ながら、市役所の前の広場に出ると、そこからはマーケットのカラフルな屋根と、その先にノリッチ城を見ることができます。このマーケットは屋外マーケットとしては英国で屈指の規模を誇るらしく、ノリッチの空港で入国ゲートを抜けたホールでも、大きくアピールされています。マーケットはオーガニック食材を扱う店から花屋、魚屋、帽子屋、ミリタリー柄の服だけを扱う店など、多種多様なお店が軒を連ねています。アジア食材の店もあり、パクチーなどのこちらでは見慣れない香草や、日本を始めとする東・東南アジア各国の調味料やインスタント麺も豊富です。チップス屋も何件かあり、数ポンドと手軽です。かなり年配の方まで、チップス、つまりは揚げた芋に塩と酢を大量にふりかけただけで昼食にしているのを見て、もはやチップスはこの国の人たちにとって健康不健康を超えた何かなのだと実感しました。

 マーケットの先に見えるノリッチ城は、今はCastle Museum、つまりは博物館になっています。展示を見ると、この四角い建物を中心とした城=街が出来ていった過程や、その後刑務所として利用されたこと、ノーフォーク地方の歴史について学ぶことができます。展示の復元によると、この城の周りにいくつかの堀が巡っており、一番外側は城壁が巡っていたようです。今は市の中心部を環状道路が取り巻いていますが、その道路沿いにはところどころかつての城壁が残っています。この旧城壁を出たすぐのところにあるパブの外壁には、かつて城門があった頃の様子を描いた絵が掛けられています。日本から来客があると、こうした歴史の痕跡とこの町の今をブラタモリ的に案内することになります。


 ノリッチの街は結構起伏があり、1階だと思って入ったらそこは向かいの道路からは2階だった、ということもあります。碁盤目状に街区が形成されているわけでもなく、迷いやすいのも確かです。私も慣れるまでは少し時間がかかりました。今回の日本からの来客は方向音痴の人が多く、地図を見ながら案内して、その地図に目印をつけておいても翌日には道に迷ってしまっていました。そんな時は周りを見渡して、背の高い大聖堂の尖塔を目印に自分がどのあたりにいるか確認すると良い、あるいは、道が交差する角にあることが多いパブや、パブでなくても店の名前や雰囲気を覚えておいて目印にすると良いとアドバイスしています。

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