International Jomon Cultuer Conferrence|縄文土器/土偶/貝塚/勾玉など縄文時代/縄文人の文化を探求する考古学団体 (▼△▼)/

■ 第6回国際縄文学協会奨学生 レポート Vol.9 吉田泰幸


Black Star:黒い石がつなぐ日英交流

 7月の14〜16日、フリント採掘坑遺跡であるGrimes Grave、Thetfordで‘East Meets West: The Archaeology of Obsidian and Flint’が行われました。これはGrimes Graveと黒曜石採掘坑跡の長野県長和町の星糞峠縄文鉱山遺跡との国際姉妹遺跡調印締結のセレモニー、日英のフリント・黒曜石研究者が参加したシンポジウム、Thetford庁舎のKing’s Houseでの歴史体験イベントがセットになった催しです。

 フリントは様々な色のものがあるのですが、Grimes Graveのものは表面が白っぽい色ですが、割ると鈍く光る黒色が現れるのが特徴的です。Thetfordをはじめ、NorwichやNorfolk各地の街の家や壁の外壁に使用されている石です。その採掘は新石器時代からすでに始まっていたらしく、Grimes Graveがその採掘坑の跡がクレーターのように多数残っている遺跡です。星糞峠縄文鉱山遺跡は堆積岩のフリントとは異なり、火成岩で割ると鋭い切り口ができ、割る前から黒く輝く黒耀石(長和町では黒「曜」石ではなく黒「耀」石と表記します)の採掘坑遺跡です。私は学生時代に星糞峠を訪れているのですが、その後遺跡は国指定史跡となり、今では黒耀石体験ミュージアムを起点に活発な活動が行われているらしく、この‘East Meets West’もその一環と言えるでしょう。

 3日間の主役は長和青少年黒耀石大使の子供達でした。セレモニー、歴史体験イベントでは「幸せなら手をたたこう」のフリント・黒耀石knappingバージョンを英語で歌い、シンポジウムでは長和町の星糞峠縄文鉱山遺跡についての紹介を英語で行いました。

 私の仕事はその黒耀石大使の歌の伴奏を務め、あわせてご自分の歌も披露する長野県茅野市をベースに活動する歌手の方(その方も「黒耀石のふるさと親善大使」です)をヒースロー空港でお迎えし、Grimes Graveでのセレモニーに間に合うようにお連れすることでした。途中、ロンドン市内のギターを中心とした楽器店などが集まっている音楽街を訪れたり、大英博物館を大急ぎで見学したりと最低限のロンドン観光を終えて、Thetford駅に向かいました。案の定というかロンドン・キングスクロス駅では電車が遅延しており、ギリギリまで出発ホームが分からないという英国鉄道のターミナル駅のある意味「名物」も体験してもらいながら、なんとか無事に歌手の方をお連れすることができました。

 7月上旬にはSainsbury Institute for the Study of Japanese Arts and Cultures (SISJAC)とUniversity of East Anglia (UEA)のCentre for Japanese Studies (CJS, 日本学センター)が開講しているサマーコース、‘Japan Orientation: An Introduction to the Study of Japan and Its Place in the World’の講義・演習‘Cultural Resource Studies in Japan’を担当しました。サマーコースにはチェコ、スロバキア、ポーランド、ハンガリー、ルーマニアの東ヨーロッパ諸国から16人の学部生から博士課程の学生が参加していました。講義の冒頭に日本に興味を持ったきっかけを学生たちに聞いてみたのですが、柔道・合気道などの格闘技やアニメのNARUTO、テレビゲームの鉄拳、ビジュアル系バンド、小説家の村上春樹など様々でしたが、複数の学生がポケモンと答えました。その後、位置情報を活用した拡張現実スマートフォン用ゲームのポケモンGOが社会現象になるとは、その時は思ってもみませんでした。

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